GLP-1 ダイエット:ウゴービやマンジャロ=ゼップバウドの取り扱いを開始しました(自由診療)!
GLP-1 ダイエット、ウゴービの取り扱いを開始しました(自由診療)!
大濠パーククリニックでは、肥満症に対する新しい注射治療「ウゴービ(Wegovy)」の取り扱いを始めました。週1回の皮下注射で、無理なく体重減少が目指せる話題の治療です!
マンジャロ=ゼップバウンド(GLP-1/GIP作動薬)の処方も行っています。基本的な流れはウゴービと同じです。
料金等はこの投稿下部に記載されています。
◼️GLP-1の作用機序
GLP-1は、食事をとって血糖値が上がると、小腸にあるL細胞から分泌され、膵臓のβ細胞表面にあるGLP-1受容体に結合し、β細胞内からインスリンを分泌させます。
また、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制します。
ダイエットに関しては
①脳の視床下部にある食欲中枢に作用して食欲を抑制し、満腹感を感じやすくします。
② 胃の蠕動運動を抑制し胃の内容物が胃から排出されるのを遅らせ、満腹感が持続します。
③白色脂肪細胞(エネルギーを蓄積)を褐色脂肪細胞(脂肪を燃焼して熱を産生)に変え、基礎代謝が向上し、脂肪分解が促進されます。
■ ウゴービ(Wegovy)とは?
• 週1回のGLP-1受容体作動薬(GLP-1の機能を保ちつつ、体内で分解されにくい注射にしたもの)の皮下注射
• 満腹感を持続させて食欲を抑制
• 臨床試験で平均13%以上の体重減少が報告されています※※
• 糖尿病のない方でも使用可能
■当院でのウゴービの治療開始プロセス
• ① 初診・診察: まずは、医師による診察と問診を行います。現在の健康状態や、これまでの減量への取り組みについてききます。
• ② 検査: 血液検査や尿検査などで確認します。これにより、健康状態を総合的に評価します。
• ③ 自己注射指導: 治療法が決定したら、看護師が自己注射の方法や保管方法、副作用について、分かりやすくご説明し、実際に練習していただきます。ご自宅で安全かつ確実に注射できるよう指導します。
• ④ 治療開始後のサポート: 治療開始後も、定期的な診察で効果や副作用の有無を確認し、必要に応じて投与量の調整や生活習慣に関するアドバイスを行います。
■ウゴービの具体的な使用方法
ウゴービは、ご自宅で週に1回、ご自身で皮下注射を行う注射剤です。ペン型の注入器で、毎週決まった曜日に、食事の時間に関係なく注射します。使い方もシンプルで、初めての方でも安心してご使用いただけるよう、医療スタッフが丁寧に指導いたします。
注射は腹部、大腿、上腕に行い、注射箇所は毎回変更し、少なくとも前回の注射箇所から2〜3cm離してください。

投与量は、0.25mgから始まり、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgの5段階があり、通常は4週間の間隔で徐々に増量していきます。

これは、お体が薬に慣れるための大切なステップです。現時点での最大投与期間は68週間(約1年4ヶ月)とされています 。
■ウゴービの保管方法
処方されたウゴービは、ご帰宅後、速やかに冷蔵庫(2~8℃)で保管してください。使用後のペンは、医療スタッフの指示に従って適切に廃棄をお願いいたします。
■ 注意事項 (気になる場合はご相談ください。)
• 副作用:吐き気、下痢、便秘、腹痛、だるさなど(治療開始時や増量時に現れやすく、体が薬に慣れるにつれて徐々に軽減していくことが多いです)
• 妊娠・授乳中の方は使用できません
• 糖尿病治療中の方は必ずご相談ください
■国の医薬品副作用被害救済制度対象外です。
自由診療での処方となるため、万が一重篤な副作用が出た場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
■ウゴービ料金表(自費診療)
初診料:3,300円 再診料:1,100円
血液検査:2,000円
薬剤料金項目 | 料金(税込) | |
0.25mg | SD2本(2週間分) | 7,500円 |
MD1本(4週間分) | 14,500円 | |
0.5mg | SD2本(2週間分) | |
MD1本(4週間分) | 22,000円 | |
1.0mg | SD2本(2週間分) | |
MD1本(4週間分) | 33,000円 | |
1.7mg | SD2本(2週間分) | |
MD1本(4週間分) | 45,000円 | |
2.4mg | SD2本(2週間分) | |
MD1本(4週間分) | 56,000円 |
※SD(SingleDose):1本で1回使い切りの注射 MD(Multiple Dose):1本で4回分入っている注射
当院が自由診療(自費診療)でウゴービの自己注射を行う理由:
ダイエットに保険診療でウゴービを用いる場合、以下の厳しい施設要件条件が必要です、現在、総合病院等の限られた医療施設でしかできていません。そこで、当院では、肥満症でお困りの方がウゴービ治療を受けられる機会を広げるため、自由診療(自費診療)として提供することにいたしました。
『保険診療でウゴービを用いる場合の条件』
① 標榜科目が内科、糖尿病内科、代謝内科、循環器内科、内分泌内科であること。
③ 糖尿病、循環器、内分泌学会の専門医が在籍していること 。
④ 「教育研修施設」として認定されていること
⑤ 管理栄養士による栄養指導を行う
それから、以下のような医学的な条件に該当される方に、ウゴービ治療が適応となります。
BMI 35 kg/m2以上 | 高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれか1つ以上の診断を受けている方 |
BMI 27 kg/m2以上 | 肥満に関連する健康障害※を2つ以上お持ちの方 |
※ 肥満に関連する健康障害には、以下のようなものが含まれます 。
①耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など) ②脂質異常症 ③高血圧 ④高尿酸血症・痛風 ⑤冠動脈疾患 ⑥脳梗塞・一過性脳虚血発作 ⑦非アルコール性脂肪性肝疾患 ⑧月経異常・女性不妊 ⑨閉塞性睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群 ⑩運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節・変形性脊椎症など) ⑪肥満関連腎臓病
※※ウゴービによる減量効果についての報告は、ニューイングランドジャーナルに載っています。
Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity
John P H Wilding et al. N Engl J Med. 2021.
ウゴービの臨床試験「STEP 1」
ウゴービの有効性と安全性を評価するために、国際的に実施された臨床試験です。
- 目的: 2型糖尿病ではない肥満症患者を対象に、ウゴービによる体重減少効果を検証しました。
- 開始用量: 治療開始時の最初の4週間は、主成分セマグルチド0.25mgを週1回皮下注射します。
- 増量: その後、4週間ごとに0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgと、徐々に増量していきます。
- 結果: 68週間の治療で、ウゴービを投与されたグループは、プラセボ(偽薬)を投与されたグループに比べて、平均で約15%の体重減少がみられました。


ウゴービによる効果は体重減少だけではなく、
①外観上は、ウエストの縮小、下腹部の皮下脂肪低下、理想とする体型
②生活習慣病の予防・改善が報告されています。
血圧の低下.LDLコレステロールや中性脂肪の減少、空腹時血糖およびHbA1cの改善、肝機能マーカーの改善(脂肪蓄積を抑制し脂肪肝の改善)
③心血管疾患のリスク低下
④腎機能と全死亡率の改善
⑤アルコール依存症の改善
⑥ 健康寿命の延伸
⑦食費の削減:食欲が抑えられるため、お菓子もあまり食べたくない、食事量も減るため、食費の軽減にもつながります。
⑧美肌・代謝アップ:バランスの良い栄養をとること。
⑨精神的な安定:自信がつき減量に悩むストレスも軽減されます。
※週1回製剤のマンジャロ®(GLP-1/GIP作動薬)=ゼップバウドの処方も行っております。
基本的な流れはウゴービと同じです。
マンジャロ(=ゼップバウンド)の主成分のチルゼパチドは、GLP-1に加えGIP(グルコース依存性インスリノトロピックポリペプチド)受容体にも作用するデュアルアゴニストです。
GIPは上部消化管の K 細胞から分泌され、脂肪細胞に作用してレプチンという抗肥満作用を有するホルモンの分泌を促進 し、GLP-1作用との相乗効果で体重減少が高まります。
◼️ウゴービとマンジャロの副反応:
5%以上:吐き気、下痢、便秘、ゲップ、倦怠感
やや頻度は下がりますが、頭痛、めまいもたまにみられます。
副反応は、ややマンジャロが多い傾向があります。当然、容量が多くなれば副反応が出やすくなります。
いずれも数日で改善することが多いです。
マンジャロの臨床試験「SURPASSシリーズ」
Dominik Dahl et al. JAMA. 2022.
副作用 | 頻度(目安) |
吐き気・嘔吐 | 約10〜18% |
下痢・便秘 | 約8〜14% |
食欲減退 | 約6〜11% |
倦怠感・疲労感 | 約5〜9% |
低血糖(併用時) | 約1〜3% |
胆石・膵炎など | 1%未満(稀) |
マンジャロ | 販売価格(税込) |
2.5㎎ | 15,000 |
5mg | 25,000 |
7.5mg | 36,000 |
10mg | 48,000 |
12.5mg | 58,000 |
15mg | 65,000 |
※※
なお、海外居住者(旅行者等)への処方は行っておりません