内科 感染症

成人で注意する感染症 

風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎。これらは成人になってかかると症状が重症化したら、妊婦が感染すると胎児に影響が出る可能性があります。昨今ワクチン接種率が低下しており、感染の流行が定期的に起こっています。

まずは本人、パートナーの抗体検査と、抗体がない場合はワクチン接種が望まれます。

 

①風疹

 ・先天性風疹症候群

妊娠初期、妊娠5ヶ月までの妊婦が罹患すると、胎児に白内障、先天性心疾患、難聴などを主症状とする先天性風疹症候群の発生リスクが生じます。

妊娠4週目までに罹患した場合50パーセント以上(つまり受精から考えて) 5-8週で35パーセント 9-12週で15パーセント 13-16週で8パーセント 20週以降はかなり危険性は減りますが、発生リスクはあります。

・風疹ワクチンを1回接種すると,95%の人が免疫を獲得します。2回の接種で約99%が風疹を予防できるとされています。確実に抗体をつけるために、2回の接種が勧められています。これまでは終生免疫ができると考えられていましたが、免疫が低下した場合、感染する可能性があります。免疫の持続期間は自然感染で40~50年、ワクチン1回接種で約10年といわれています。

予防接種を行った夫や子供から妊婦への感染はまず起こりません。 妊娠を考えたり、妊娠中で抗体が無い場合はワクチン接種を検討しましょう。 ・・・・一部の人でワクチン接種によって、風疹ウイルス(ワクチン株)が出ることがあります。しかし、期間も短く、量も自然風疹の場合の100分の1以下ですし、毒性も弱いままです。試験接種で周囲の人に感染しないこと、市販ワクチンでの多数の接種でも感染しないことは判明しています。むしろ、妊婦さんが免疫のない場合は、家族は積極的にワクチンを接種し、妊婦さんの回りを免疫の壁で取り囲み守るようにしましょう。 ・妊娠に気付かずにワクチンを接種した場合、感染する可能性はかなり低いと思われます。胎児に障害がでたという報告はこれまで世界的にもありません。 ・風疹は非常に強いウイルスですが、感染しても発症しない例が15-30%程度あります(不顕性感染)。予防接種をせずに知らない間に抗体ができる場合もあるということです。

・一部の人でワクチン接種によって、風疹ウイルス(ワクチン株)が出ることがあります。しかし、期間も短く、量も自然風疹の場合の100分の1以下ですし、毒性も弱いままです。試験接種で周囲の人に感染しないこと、市販ワクチンでの多数の接種でも感染しないことは判明しています。むしろ、妊婦さんが免疫のない場合は、家族は積極的にワクチンを接種し、妊婦さんの回りを免疫の壁で取り囲み守るようにしましょう。

②麻疹(はしか)

・妊娠初期で麻疹にかかると31%が流産するほか、中期以降でも9%が流・死産、24%が早産する と言われています。

以前は終生免疫を獲得するといわれてましたが現在ではワクチン接種によっても5%-20%は抗体ができなかったり、その獲得免疫の有効期間も5-10年とされています。30代及び26歳以下が低く、30歳前後の女性の約30%が麻疹に対する免疫が陰性と推測されています。

・ 分娩直前の感染で、新生児が分娩直前もしくは分娩直後に母体が発症したときは先天性麻疹になる可能性があります。そのため分娩直前に発症した場合は子宮収縮抑制剤などを使用し分娩を発症から7日間ほど遅らせることがあります。

・抗体のない母親から生まれた新生児がワクチン接種する前に罹患すると重症化することが多いと言われています。

・ 尚、妊娠期間中に感染すると風疹の場合のように先天奇形の増加はありません。

③水痘(みずぼうそう)

・妊娠20週未満に妊婦が水痘に罹患すると1~2%の児に先天性水痘症候群(小頭症、低出生体重、皮膚の瘢痕、四肢低形成、白内障など)が出現するようですが、日本での報告例はないようです。

・分娩前後に妊婦が水痘に罹患すると30~50%くらいの新生児に水痘が発症します。分娩の5日前から分娩後2日までに母体が水痘を発症した場合、児は生後5~10日に水痘を発症し、重症化します。水痘に肺炎や脳炎などを合併し、死亡率も30%と高率です。

④流行性耳下腺炎(おたふく風邪)

・思春期以後に男性が感染すると30%位に睾丸炎や副睾丸炎を起こすといわれています。睾丸炎が重症化すると将来的に妊娠しにくくなる原因ともなってきます

・妊娠14週までの妊婦が罹ると1/3の人が自然流産するといわれていますし

・任意接種であるため、30%〜35%と接種率が低く、3〜4年周期で流行が見られます。

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